「精進」とは、悪を断って善を行い、つとめに励むという意味です。 仏教では、食も修行の一つと考えます。心を込めて調理をし、それをありがたく頂き、心身を養う。それが精進料理です。
出汁に至るまで肉や魚を一切使用せず作る精進料理。仏教の戒律で定められたこのルールは制約か、それとも日本料理の極みへと導く希望か。答えはご自身の目で、舌で、五感で、確かめにいらして下さい。一乗院では契約農家である吉田農園さんの自然農で育てられた野菜や、地元和歌山で減農薬農法に取り組んでいらっしゃる農園さんの野菜を積極的に使用しています。
便利で美味しいものがたくさんある時代に、「美味しい」のその先にある安全性と持続可能な社会の実現。一乗院の精進料理は「美しく」「美味しく」「安全」でそしてこれからの未来に目を向けられる、そんな料理でありたいと願っています。

一乗院の精進料理では、肥料や農薬を使用しない「自然農」によって作られた野菜を積極的に取り入れています。
これらの野菜は奈良県吉野郡の吉田農園様で作られているものです。
当院は吉田農園様と継続的な売買契約を結ぶことによって、安全で自然にやさしく、そしてなにより豊かな味わいの精進料理を持続的に提供していけるように取り組んでいます。
私の行っている「自然農」という農業は、無肥料・無農薬・不耕起で草と虫を敵とせず野菜を育てる、奈良県桜井市の故・川口由一さんという方が提唱された農法です。「自然農」と聞くと、何も手を加えない楽な農業のように聞こえますが、耕さないことで野菜以外の草が繁茂し、そのための草整理に非常に時間が掛かります。
また、川口さんのやり方では、米ぬか、油かすを「補い」として使用しますが私は米ぬか、油かすも使用しない土だけの力で野菜を育てています。
当然肥料を用いた「慣行農法」や、有機肥料を用いる「有機農法」に収量は遥かに及びませんが、その分一つ一つの野菜にかける時間、労力、愛情は他の農法とは異なり、奈良の吉野の山の恵みで育ち洗練され、豊かで味わい深い野菜を産み出すことが出来ます。


